《納屋と季節の畑あそび 78nanahachi》で
自然を感じる休日

2018年5月25日
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駒林の住宅街の奥、八幡神社のお向かいに、
映画みたいにフォトジェニックな納屋と畑がありました。
この素敵な場所《78nanahachi》さんとは、いったい何屋さんなのか?一言では説明が難しいところです。
オーナー・横山さんのお名刺には
「草木染め レンタルスペース レンタルギャラリー イベント 貸し農園」と書かれています。


個人でも安価に借りられる貸し農園や、
定期的に開かれる草木染めワークショップの他、
毎月5日は「畑あそびの日」と称して敷地内の畑を遊び場として解放したり、
冬場は手作り味噌の仕込み方を教えてくれたり、
夏場はじゃがいも堀りにバーベキュー。
地元のアーティストや職人さんの作品の展示もあります。
季節を感じられる様々なアクティビティを体験させてくれる不思議な場所です。


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トコフジ編集部は、5月5日の畑あそびデーに開催されたマルシェに遊びに行きました。
マルシェのレポートと、横山さんのインタビューをお届けします。


■■■地元の職人さん・手作り作家さん大集合

マルシェ当日はぞくぞくと人が集まってきます。
みなさんお知り合いのようで、そこここで親しげな挨拶を交わしています。
店主の横山さんのお人柄に惹かれて集った方々なんだろうな、と想像できます。

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⬆屋内でも屋外でもわいわい賑やか!

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⬆ふじみ野の竹籠職人・内田栄恃さん
市内には職人さんはほとんど残っていないそうで、大変貴重な技術の担い手でいらっしゃいます。

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⬆内田さんの竹籠が置いてあるこのおしゃれなテーブルは、所沢の鉄骨家具デザイナー《studio caravan》さんの作品

【studio caravan公式サイト】http://www.studio-caravan.net/

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⬆畑で採れたお野菜も格安販売。
我が家は小松菜とスナップエンドウを購入させていただきました。

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⬆2階でも手作り作品の展示販売。

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⬆作り手さんの気持ちが伝わってくるような、あたたかな作品が並んでいました。
とんがり帽子(写真右上)がすごくかわいい!!
小さい子にかぶせたらコロボックルみたいです。

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⬆富士見市のカフェ・Tumugiさんのブース。
体にやさしいスイーツとコーヒーがいただけます。
 
 【カフェ・Tumugi公式ブログ】https://tumugicafe.exblog.jp/

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⬆お庭で藍染め体験
染めた直後はなんと緑色でした!
広げて空気に触れさせる事で、きれいな藍色に変わっていく過程がおもしろいです。


■■■新緑が美しいお庭を散策

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⬆藤棚の下に置かれたテーブル。童話に出てきそうな可愛い場所です。
ここでのんびりお茶したら気持ちいいだろうな〜!

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⬆ふじみ野のパパサークル《コネクトーチャン》の活動で手作りした石窯。
ピザや焼き芋が焼けます♪

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⬆素敵な水場。水受けの臼がかわいい!

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⬆大輪のシャクヤクの花。


当日は小さな梅の実がたわわに実っていました。
横山さんが「この青梅で梅醤油をつくるとおいしいんですよ」と教えてくださったので、
庭に落ちたばかりのキレイな実をたくさん拾わせていただきました。
持って帰って醤油につけてあります。
3週間くらいすると食べごろだそうなので、待ち遠しいです!



■■■リノベーションは知る人ぞ知る有名事務所

ちなみにこの素敵な納屋をリノベーションしたのは、
新座市にある建築事務所・ホームスパイスさんだそうです。
78さんの施工時の様子がホームスパイスさんの公式サイトで紹介されています。
トコフジ取材をしていると、あちこちでこのホームスパイスさんのお名前を耳にするんですよ。
近隣で、内装の素敵なカフェや建物はだいたいホームスパイスさんのデザイン。
ふじみ野近郊の会社さんだったら絶対トコフジで取材するのに!



■■■オーナーインタビュー

この78nanahachiのオーナーのリコさんこと横山頼子さんは、
きらきらした笑顔と優しい語り口の、
78nanahachiという場所を体現するようなとてもあたたかな印象の女性です。

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オーナーの横山頼子さん。日だまりみたいな雰囲気の方です。


この素敵な場所をオープンした経緯など知りたくて、お話を聞かせていただきました。
気持ちのよい初夏の日に、おいしいお茶とお菓子をいただきながらのほのぼのしたインタビューでした。


―この場所を作った経緯をお聞かせください

「もともと義父の土地だったんですが、同居をきっかけに私と主人が管理させてもらう事になりました。
折角の畑や納屋を皆さんにも楽しんでいただこうと思って、開店(?)したのは2年前の5月5日です。」


―昔からこういった畑仕事や草木染めなどに興味をお持ちだったんですか?

「いいえ、それが全く!(笑)
十数年前まではマンション住まいの都会っこだったので、土に触った事も無かったし、興味もありませんでした。
今はお味噌づくりをとても楽しみにしているんですけど、
それまではお味噌はお店で買うものって疑ってもいなかったくらい」


―それは意外です!こんなに自然生活が板についていらっしゃるのに。
その都会っこが、ここまで自然とともに暮らすようになったきっかけはなんですか?

「きっかけは義父の介護と、あとはやっぱり2011年の震災かしら。
こちらに越してきて、はじめは庭も畑もどうしていいか本当に分からなかったんです。
梅の実がなっても、ただ落ちるのを見送るだけでした。
それが介護で仕事を辞め、昼夜逆転生活になって、せっかくだからおじいちゃんに畑を教えてもらおうと思って。
認知症だったんですが、『畑を教えて』って言ったらしゃきっとして、あらゆることを教えてくれました。
義父にとっても良い刺激になったのか、だんだん認知症も改善していきました。
今はおもに主人が畑をやっていますが、義父もよく気にしてくれています」


―そうして畑をやって行く中で、この78nanahachiの構想ができていくわけですね

「もともとは、この納屋を自分達が畑仕事をする際の休憩所にしたかったんです。
その頃には自宅でワークショップも開いていたので、どうせならそれも納屋でやっちゃおうと。
納屋で味噌の仕込み会を開くのが夢だったんですよ(笑)。
お味噌って、家の中みたいな閉じた空間よりも、より土壌に近い常在菌の多い場所のほうがおいしくできるので、
この納屋はぴったりなんです!

それと、このお庭と畑を活かす方法として、自分たちだけで農業をやるのは限界があるなと思って。
「畑がある以上、とにかく野菜つくらなきゃ」って思いがちなんですけど、
作物をつくっても販売ルートの確保がとっても大変。
農家さんはどこもつくるのでいっぱいいっぱいで、流通まで手がまわらないんです。
そこを担ってくれる人材がいたらいいなあと思っています。」


―ちなみにこの納屋は築年数どれくらいなんですか?

「70年くらいでしょうか。義父がはじめて自分で建てた大事な納屋なんですって。
昔は農機具とかを置いたり、収穫したお芋なんかを保存する場所として使っていたそうです。
リノベーションお願いしたホームスパイスさんは、古屋やボロ屋を素敵に改装することが大得意の施工会社さんだったんです。
いろんな提案をしてくださって、こんなに素敵な場所になりました」


―その素敵な納屋と畑を、『畑あそびの日』として一般に解放してくださっていますね。

「ハーブや植物好きの友達と藍染をしてみたくて、空いてる畑を活用し、藍を育ててみようということになったんです。
それを機に畑の管理を一緒にしようと、毎月5日に会う約束をしたんです。
だから「畑あそびの日」は毎月5日なの。畑好きの人を集めて楽しむ日。」


―そうそう、その染め物についても教えてください。不勉強で、藍染めと草木染めの違いも分からなくて…

「藍染めは、植物の藍から精製した“スクモ”という原料に薬品を加えた染料を使う、結構工業的で手間のかかる染め物です。
草木染めはもっと手軽で、その辺に生えている草木をなんでも煮出して使うことができるの。
たとえばこの間は、ドクダミやハーブやら20種類の草花を使って、古い麻のエプロンを染めてみました。」

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⬆右:玉ねぎの皮(!)で染めたストール
 左:梅の枝で染めたもの

「同じ草でも、煮出す時間を変えたり、触媒にする金属を変えると違った色になるので、
化学実験みたいな楽しさがあるんです。
そういえば、桜の落葉を何度も煮出すと、そのうち奇麗なピンク色に染まるんですよ!
本当は花が咲く直前の枝を使うのが一番キレイなんだけど、さすがに桜の枝を折るのはしのびなくて、落葉を使うの」
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草木染めカラーチャート。まさに理科の実験のようです。
「栗の毬(イガ)」って書いてありますね!


―畑ではどんなものをつくっているんですか?

「じゃがいもやさつまいも、里芋は毎年つくっています。
今の時期は、昨年秋に植えたそらまめが採れますよ。
限られた畑をどうまわすか考えるのが楽しくて。
収穫できる野菜が少ない時期は、冬につくった切り干し大根を食べたり、山菜を採ったりしています」


―まさに季節とともに生きているという感じですね

「はい、歳時記の通りに生きてます(笑)。
暦の二十四節気七十二候って、日本の生活マニュアルそのものなんですよね。
書いてある通りに種まきして収穫すればいいの。
このあたりは新月の夜は真っ暗になるし、逆に満月のときは影が出来る程明るいんだっていうことに、
畑をやるようになって初めて気づきました」

―レンタルファームもやってらっしゃるんですよね

「はい。初心者の方でも安心していただけるように、うちの主人が色々アドバイスさせていただいたりして、楽しくやっています。
今は、植木屋さんが「土の研究がしたい」って借りてくださってたりします」

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⬆レンタルファームの様子。



―この先の夢などお聞かせ下さい

「そうですね…うんと大きな事を言っていいなら、畑を通じた自給自足のコミュニティをつくりたい、かな。
うちのレンタルファームで、お隣さん方同士で種や収穫物をお裾分けし合ったりしているのを見ると、すごく幸せな気持ちになるんです。
みんながお互いに好きな事をやりながら、縄文時代みたいに物々交換で成り立つ、争いの無い平和なコミュニティを作れたらいいなって思います」



―今後のイベント予定などは?

「毎年10月に、農家組合の方達と一緒に育てたコスモスが満開になるので
『納屋とコスモスの畑マルシェ』というイベントをやっています。
畑にたくさんのコスモスを植えてお待ちしています
他にもちょこちょこ何かやると思うけど、思いつきだから直前まであんまり決まってなかったりするんです(笑)
SNSで告知してますから、良かったらチェックしてみてください」





《トコフジ記者 文:いずもん・写真:アラタ》



78nanahachi《公式サイト》
【住所】〒356-0034 埼玉県ふじみ野市駒林78
  毎月5日は「畑あそびの日」として朝9:30~日没まで畑を無料開放。
  その他イベント・ワークショップ・レンタルファーム等の詳細は公式サイトをご確認ください


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