月に1度だけの幻のうどん屋《お月見亭》
難波田城公園の古民家でいただく地元の味

2018年3月30日
難波田城公園 うどん

鎌倉時代に築城されたと言われる難波田城。富士見市内を本拠とした難波田氏の居城です。
このお城跡が素晴らしい公園になっているのは良く知られていますが、
そこで月に1回だけ幻のうどん屋さんが開店しているのはご存知ですか?

その名も《お月見亭》
毎月第二火曜日に、地元有志の皆さんでつくる「田舎うどんの会」さんが提供してくださっています。
ランチ限定25食なので、事前に予約必須です!

■■■茅葺きの古民家でいただく田舎うどん
IMG_9701
⬆この大きな古民家《旧大澤家住宅》でうどんをいただきます

IMG_9693
古民家内の厨房で配膳中。昭和初期にタイムスリップしたみたい!

こちらの邸宅では火を使えないので、実際の調理はスタッフの皆さんのご自宅と、敷地内の別の厨房で行っているそうです。

中に入ると、お座敷に用意されたテーブルは満席でした。
ほとんどが高齢のおばあちゃま達で、どうやら趣味のサークル仲間の団体さんのようです。
皆さん食事とおしゃべりをゆっくりと楽しんでいらっしゃいます。
我々も空いた席に案内していただくと、卓上にはポットと急須。
三芳町のお茶屋《田畑園》さんのおいしい緑茶をいただけます。

IMG_9653
⬆メニューは毎回1種類。3月のメニューはこちら。

IMG_9621
⬆運ばれて来たお食事!とっても豪華な御膳です。

うどんは県内産小麦の手打ちうどん。
少し黒っぽく、しっかりとした歯ごたえのもっちりしたうどんです。
上に乗ったうどんが黄色いのは、なんと、はっさくうこんを練り込んだ薬膳うどんだから!
つゆをつけずにそのまま食べてみると、柑橘類の香りとさわやかな苦みが口一杯に広がって、とても新鮮な味わいでした。
薬膳うどんの内容は季節毎に変わるので、毎回楽しみにしている常連さんも多いようです。
つけ汁は醤油味が濃い田舎風で、太めのうどんに良くからみます。
一人前はなかなかのボリュームで、お隣のおばあちゃんは「とても食べきれないわ」と楽しそうにおっしゃっていました。

IMG_9646
⬆さくさくの天ぷら。

《玉ねぎの芽》の天ぷらなんて初めて食べましたが、ほんのり甘くて春の味がしました。
他にもセロリや人参・さつまいもと盛りだくさん。
ごぼうが特においしかったです。

IMG_9647
⬆ごはんも月替わり。今月はお赤飯。

IMG_9665
⬆お座敷からは美しいお庭が見られます。取材時は梅(⬇)の散る様子が綺麗でした。

IMG_9794

■■■富士見のおかあさん達がこだわる地元の味
この素敵な食堂を、なんとボランティアで(!!)毎月運営してくださっているのが「田舎うどんの会」。
地元のおかあさん、おとうさん達8人でつくる会です。
代表・谷沢里美さんにお話を伺いました。

IMG_9813
「田舎うどんの会」の皆さん
皆さんとっても朗らかで和気あいあい!

―お月見亭を始めたきっかけはなんですか?

(谷沢さん)「せっかく公園に古民家が移築されたから、何か地元に貢献できるようなことをできたらと思って、うどんを出してみることになりました。
このあたりでは冠婚葬祭のたびにうどんを食べる風習があるので、昔はどこの家でもうどんを打っていたんですよ。」

―いつ頃から続けているんですか?

(谷沢さん)「平成19年からだから、もう10年になりますね。
もっと回数を増やしてほしいっていう要望もあるんだけど、なかなか難しくてね。
ずっとお友達8人でやってるんだけど、皆地域の役員とか他のいろんなボランティアも兼ねていて、結構忙しくしているもんだから」

―メニューへのこだわりなどをお聞かせ下さい

(谷沢さん)「やっぱり地元の野菜を出すことかしらね。
近所の農家さんからもらったり、自分の家の家庭菜園で採った野菜だったり。
手に入る旬のものを使うから、変わったところでは柿の天ぷらや菜の花の天ぷらなんかも出したことがありますよ。
今日“玉ねぎの芽の天ぷら”ってあったでしょう?あれね、実はおうちで玉ねぎ置いといたら芽が出ちゃったから使ってみようってことになったのよ」

―そうなんですか!あれは特別な種類じゃなくて、普通の玉ねぎだったんですね。
とてもおいしかったので、今度うちでも芽が出ちゃったらやってみます。
メニューは皆さんで考えるんですか?

(谷沢さん)「いいえ、うどん担当の人とか、炊き込みごはん担当の人とかそれぞれ決まっていて、何を使うかそれぞれが考えて来るの。
他の人は当日の朝までどんなメニューか知らないんですよ」

―ちなみに谷沢さんは?

(谷沢さん)「うどん担当。毎回家でうどんを打って来ます」

―固めのしっかりうどんで、とってもおいしかったです!

(谷沢さん)「ありがとうございます。
うどんはゆでる時間だけじゃなくて、寝かす時間によっても堅さが変わるから難しいのよね」

―お皿も食事の雰囲気に合っていて素敵でした

(谷沢さん)「え、本当?!お皿は家にある余り物なんかを持ち寄ったものなのよ」

―お皿まで持ち寄り?!本当に手作りの運営なんですね。それを10年間も続けるのは大変だったでしょうね

(谷沢さん)「そうねえ、大変なのは確かだけど、やっぱり楽しいですよ。
気心の知れた仲間内のおしゃべりも楽しいし、お客さんが喜んでくれればうれしいし。
赤ちゃんを連れてずっと来てくれていたママさんが、“子供が幼稚園に上がったから、ひとりでも来ていいですか”って聞いてくれたり。楽しみにしてくれてるお客さんがいてくれるから続けられるんだと思います」

―お月見亭という名前の由来をお聞かせ下さい

(谷沢さん)「メンバーの岸さんがやってる劇団の名前が“お月見一座”なので、たしかそこからお借りしたんじゃなかったかしら」

IMG_9814
モモイロクローバーZのサインエプロン
昨年の富士見市コンサートで、事前あいさつにいらしたメンバーにうどんをふるまったそう。

地元のおかあさん達の手作りうどんを楽しめるお月見亭。

特に春以降は大人気のため、事前予約が望ましいですが、
「当日でも問い合わせてくれたら席が用意できることもある」そうです。
是非一度ご体験ください!

谷沢さんたちは、毎月第1・第3日曜日に難波田城公園で手づくり田舎まんじゅうの販売もしていらっしゃいます。
早い者勝ちの人気商品なので、食べたい人は早い時間に行くのがおすすめです。

■■■子供と一緒に昔遊びを楽しめる公園
IMG_9790

お月見亭の開催される難波田城公園は、ものすごーく綺麗でのどかで気持ちのよい場所です。
古民家が点在し、お堀がぐるりと巡る水と緑の豊かな公園。
ちょっとした迷路のような構造は、子供が走り回って探検するのにぴったりです。
春には梅に桜、初夏には菖蒲や蓮も楽しめますよ。

IMG_9745
IMG_9786
⬆手入れの行き届いた美しさ!歩いているだけで気持ちがよいです。

IMG_9724
IMG_9756
IMG_9765
古民家の中には自由に入れます。

皆さん畳で寝転んだり、囲炉裏の側でお弁当を食べたり、思い思いに過ごしています。
カルタやめんこなどの昔遊びも用意されていて、小学生達が熱中していました。

IMG_8754_01
竹馬やフラフープ・ベーゴマなどを借りて自由に遊べます。

IMG_9732
⬆ショップ「ちょっ蔵(ちょっくら)」

お菓子や飲み物、地元の野菜やお米を販売しています。
難波田城ゆるキャラ「なんばった」のグッズもありました。

IMG_9738
⬆ゆるキャラ《なんばった》くん

IMG_9797
《城主》からの警告「この水飲むべからず」。

綺麗な井戸水なので、たしかに飲みたくなっちゃいますね。
こんこんと湧き出た水が水路を流れて行くのを見ていると心癒されます。

敷地内の資料館は無料で観覧でき、地元の歴史にまつわる常設展示の他、季節毎の特別展示も楽しめます。
この春は「里神楽(さとかぐら)と面師(めんし)」という展示が公開中です。

毎年6月第1日曜には《難波田城まつり》という大きなお祭りがあり、武者行列や火縄銃演武など、他ではなかなか見られない催しも行われます。

《トコフジ記者 文:いずもん・写真:アラタ》

【店名】お月見亭
《公式サイト》
【場所】難波田城公園内、旧大澤家住宅
【営業時間】毎月第二火曜日 11時半〜13時半

 ※営業日は変わることがありますので、公式サイトをご確認下さい。

【料金・定員】一人前:1,000円 /25食限定(完全予約制)
【駐車場】有り

【お問い合わせ】
●難波田城公園活用推進協議会 『田舎うどんの会』 

 代表:谷沢里美さん (連絡先は《公式サイト》をご覧ください)

●富士見市難波田城資料館《公式サイト》


記事について

当サイトに掲載している記事は、実際の取材による情報またはインターネット上の情報(公式のサイト情報)を 元に作成しております。万が一、ご紹介する事業者様にとって不利益・不当な内容があった場合は直ちに是正の 対応をさせていただきますので、遠慮なくご連絡ください。

▶︎ご連絡はコチラ

PAGE TOP

Copyright © 2014 tokotoko fujimino All Rights Reserved.