スギテツさんの爆笑クラシックコンサート!
コピス・サマー・フェスティバル

2018年10月15日

子供にはできるだけ文化的な体験をさせてあげたいのが親心。
でも有名な劇場やホールに連れて行くにはお金もかかるし、子連れは行くだけでも一苦労…
そんなときは自治体の開催するイベントをチェックして見てはいかがでしょう?
有名アーティストを呼んだりと、意外なほど本格的なイベントが地元で安価に楽しめます!

そんな自治体芸術拠点の一つ、三芳町の文化会館《コピスみよし》は、音響に大変優れ、特に室内楽のコンサートに最適と演奏家の方々からも絶賛される施設です。

■■■コピス・サマー・フェスティバル

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⬆コピスみよしホール

8/19に行われた「コピス・サマー・フェスティバル」は、
今年で6回目を数え、
クラシックに馴染みのない子供にも音楽の楽しさを伝える素敵なコンサートです。

コンサートは2部構成で、
午前の部は0歳から5歳児対象の「みんなとつながって、うたってあそぼう!」。
「つながりあそび・うた研究所」の二本松はじめさんと一緒に、楽しく歌って踊ります。
午後の部は「観て・聴いて・感じるクラシック!笑って学べる、スギテツの音楽実験室」。
Eテレ「おんがくブラボー」でおなじみの二人組ユニット、「スギテツ」さんの爆笑コンサートです。
さらに、コンサート終了後は、オーケストラで使用する楽器に自由に触れることができるワークショップも!
盛りだくさんのイベントで、親子で音楽的好奇心を満たしちゃいましょう。

トコフジ編集部は午後の部とワークショップに参加してきました。
当日のレポートと、主催のコピスみよしさんの事前インタビューをお送りします。

■■■スギテツの「音楽実験室」

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実は私は「おんがくブラボー」を見たこともなく、スギテツさんがどんなパフォーマンスをなさるのか、予備知識ゼロでした。
「笑って学ぼう!」とのキャッチコピーに、「クラシックで笑う…?」と不思議に思っていましたが、
結論として、コンサートの間中、大爆笑させていただきました。

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⬆メンバーの杉浦哲郎さん(ピアノ)と、岡田鉄平さん(ヴァイオリン)
(コンサート終了後にロビーにて撮影)

スギテツのお二人が舞台に出てきてまず最初に演奏してくれたのは、
ハチャトゥリャンの「剣の舞」…のはずが、ところどころに「ずいずいずっころばし」の旋律が。
観客ははじめ訝しげにしていましたが、やがてあちこちで笑い声が起きました。
こんな風に、クラシックの名曲をお茶目にアレンジした曲の数々を聞かせてくださいます。
ピアノとヴァイオリンだけなのに、音数が多くてとっても賑やかな舞台でした。
さらにMCも最高に面白い!お二人の掛け合いが漫才みたいです。

当日の演奏曲の一例をあげてみます;

 「現代のタイプライター」
 アンダーソンが現代に「タイプライター」を作曲したら?というコンセプトで、
 パソコンやスマートフォンとクラシックを融合させた、大変愉快な曲です。
 このタイプライターという曲、クシコス・ポストと並んで小学校時代に運動会でかかっていた
 思い出があるのですが、もしスギテツさんバージョンだったら笑っちゃって競技に集中できなかったろうなと思います。

 「アイネクライネ家電量販店」
 モーツァルトが東上線沿線の家電量販店を巡る、という曲だそうです。
 モーツァルトが何を買いたいのかは不明ですが、池袋のヤマダ電機から始まって、様々なお店を巡っていきます。
 埼玉県の地場電気屋さん、我らがデンキチにもいきますよ!
 観客は終始笑いっぱなしでしたが、デンキチのテーマが流れた時が一番笑い声が大きかったです。

「犬のおまわりさんの運命」
 迷子の子猫ちゃんのおうちを見つけられなかったためにリストラされてしまった、
 可哀想なおまわりさんの悲劇を描いた曲です。
 可愛い指人形も出てきて、小さい子供も大喜び!

などなど、他にも面白い曲が盛りだくさん。

さらに、音楽の知識を深める講義も散りばめられていて、なかなか勉強になります。
作曲家の肖像画を見て誰か当てるクイズでは
杉浦さん「シートベルトじゃ無いですよ〜」 観客「シューベルト!」と言った楽しい掛け合い。
パトカーのサイレンをヴァイオリンで再現しながら
「ソの♯はトヨタクラウン、ファの♯は日産のパトカー」とマニアックな知識も教えてくださいます。

休憩を挟んで後半は、
コンゴ出身のアコースティックユニット、JAMBOさんがゲスト出演!
JAMBOとはスワヒリ語で「こんにちわ」という意味だそう。
彼らは劇団四季の「ライオンキング」で演奏したこともある実力派ユニットです。
メンバーのB.B.モフランさんとダウディ・ジョセフさんが、アフリカ伝統のパーカッションと歌を演奏してくださいました。
観客席に向かって「みなさん一緒に歌って踊ってください!」と呼びかけるものの、
シャイな日本人は微妙な盛り上がり…
お客さんはなかなか立ち上がろうとしませんでしたが、
最後は子供も大人も舞台前に集まって、一緒に楽しく踊りました。

子供に本物の外国文化に触れさせてあげることができて、親としては大満足です。

■■■本物の楽器に触れるワークショップ
コンサートの後は楽器体験。
クラシックコンサートで使われる本物の楽器に触れるワークショップです。
金管楽器に打楽器、ハープなど、普段は触れる機会の少ない楽器を誰でも演奏させてくれます。
東洋大学管弦楽団の学生さんが丁寧に教えてくれるので、
楽器が全く初めてでも問題なし!
毎年大人気のイベントで、子供はもちろん大人も夢中になります。

我が家の子供達は楽器をほとんど触ったこともない幼児ですが、
優しいお兄さんお姉さんに教えてもらって元気に太鼓を叩きまくっていました。
壊すんじゃないかとハラハラしましたが、お兄さんが「大丈夫ですよ」とニコニコ笑ってくださったのでホッとしました…
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⬆クラリネット体験ブース

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⬆ティンパニ体験ブース

■■■主催者インタビュー
トコフジでは、コンサートの数日前に主催のコピスみよしさんにインタビューさせていただきました。
お話を聞かせてくださったのは、事業担当のキリッとした素敵な女性・三上さん。
コピスみよしの様々なイベントをプロデュースなさっており、
地域の皆さんに芸術に触れてもらう機会を増やそうと、日々奮闘なさっています。
穏やかな口調の中にも三芳町への熱い想いが感じられる三上さんの姿に、地元のご出身なのかと思い込んでいましたが、数年前に初めて三芳町にいらしたと聞いてびっくりしました!

―この「コピス・サマー・フェスティバル」はどんな目的で企画なさったんですか?

「クラシック入門編として、小さいお子さんの初めてのコンサートにしていただけたら、という趣旨で企画しました。
特に夏休み時期のイベントはファミリー層からの要望が多いので、家族みんなで楽しめるコンサートを目指しています」

―午前の部では赤ちゃん向けのコンサートも行われますね

「はい、昨年から、0歳から参加可能なパートもご用意しました。
コピスみよしでは赤ちゃん向けのイベントが少なかったので、とても反響が大きかったですね。
昨年は募集人数を大きく上回る応募をいただきました」

―このコンサートのおすすめポイントは何ですか?

「観るだけでなく、参加できるコンサートを目指しています。
昨年おこなった指揮者体験も大好評でしたし、
毎年開催している楽器体験は大人気で、リピーターも多いんですよ。
いろんな楽器に触れる機会ってなかなかないですから、お子さんよりもむしろパパやママが夢中になっちゃうみたいです(笑)
このサマーフェスティバルは、親子向けとうたってはおりますが、どの年代の方も楽しめるようになっているので、どなたでも大歓迎です!実際大人同士でのご予約も多くいただいています」

―今年はゲストとしてアフリカンミュージック奏者の方も出演なさいますね

「JAMBOのお二人の出演は、スギテツさんからの「お呼びしたら楽しいんじゃないか?」というご提案で実現しました。
今回に限らず、アーティストさんの自由な発想を大切に、お任せできるところはお任せしつつ一緒に協力してステージを作り上げて行くようにしています」

―イベントを企画する際には、どういう基準で?

「地域の方が喜んでくれるイベントなのはもちろんですが、
有名人を呼んで人を集めて終わり、ではなく、イベント後も何か町に《残る》企画にしたいと意識しています。
例えば、マルシェを併設して地元の農産物を広めるお手伝いをしたり。
今度小野リサさんのコンサートを開催しますが、これは小野リサさんのツアーメンバーの方が三芳町出身という繋がりから実現しました。地元にゆかりの深い方をお招きすることで、地域の活性化にも繋がると考えております。
今後も、町役場の生涯学習課と共に、町の人達に文化・芸術を提供する場としてのコピスみよしのあり方を考えていきます」

―今後の活動予定をお聞かせください

「9月のみよしまつりに、マレーシアから伝統舞踊の踊り手さんをお招きしており、おまつり前日には役場ロビーでも舞踊を披露していただきます。(※編集部注;本記事アップ時点でこのイベントは終了しています)マレーシアのペタリングジャヤ市と三芳町が姉妹都市提携を結んでいる縁で実現しました。
地元にいながら外国の伝統舞踊を観る機会は貴重だと思いますので、ぜひ足を運んでいただけたらと思います。

また、12/9には《第17回 竹間沢車人形公演》を予定しています。
竹間沢車人形は、江戸時代から伝わる三芳町の伝統芸能です。
公演者は一般公募で、小学4年生から、ご高齢の方までが参加しています。
地域の貴重な伝統芸能ですので、ぜひ多くの方に親しんでいただきたいです」

―三芳町に伝統芸能があるとは知らなかったです。もっと広めたいですね

「そうなんです!この地域に素晴らしい伝統芸能があることを、もっとたくさんの方に知っていただいて、大事に受け継いでいきたいので、ぜひぜひトコフジさんでも宣伝してください!」

ということで、竹間沢車人形にご興味のある方は、ぜひコピスみよしさんにお問い合わせくださいませ。
地元にいながら本物の芸術に触れることのできる(しかも安価に!)貴重な施設、コピスみよしさん。今後もトコフジは追いかけて行きたいです!

《トコフジ記者 文:いずもん・写真:アラタ》


コピスみよし
【住所】 〒354-0041 埼玉県入間郡三芳町藤久保1100-1
【電話】 049-259-3211
【開館時間】9:00〜22:00
【休館日】毎週月曜日(祝日の場合は翌日)・年末年始(12/28〜1/4) 
   他臨時休館日のある可能性がありますので、公式サイトでご確認ください。


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